エネルギー危機対策で、各国政府は省エネ、節電を国民に呼びかけている。フランスでも室温を19度以下に制限し、タートルネックを着用せよ、と推奨しているし、似たようなことは日本でもあるようだ。しかし、室温を1度下げるだけで、特に高齢者の認知能力の衰えが一気に加速するという研究結果もある。個人差はあろうが、19度というとかなり寒く感じるのではないだろうか(贅沢な感想かもしれないが)。筆者のように年齢とともにもともと乏しい認知能力の維持に苦労している人間にとっては、こうした節電勧告は素直に納得できない。しかも、電力が足りず、真冬に計画停電を余儀なくされるリスクが増しているというのに、 他方で、自動車に関してはEVへの移行を急いで、電力需要をさらに増やすというのだから、では何のための節電だ、という気にもなるではないか(これはすでにボケ老人の繰り言に過ぎないのかもしれないが、これ以上ボケたらどうしてくれるんだ)。確かに化石燃料をふんだんに使う時代が終わったことは間違いない。でも、低炭素の発電技術が何種類もあることはすでに何十年も前からはっきりしているのだから、十分な発電容量を確保するための政策をしっかり計画的に進めるのが政治指導者の役目だろう。タートルネックを推奨する前にやるべきことがあったはずだ(と他人には厳しいことが言いやすい)。ところで、タートルネックといえば、大昔に筆者が習ったフランス語・文学の教授連が好んで着用していたことを思いだす。あれは 当時のフランスのインテリたちのファッションを真似ていたのだろうが、なかなかおしゃれではあった。ネクタイが不要な利点もある。ネクタイ業界には申し訳ないが、職場で定着させるのも悪くないかも、である。