マクロン大統領、APEC CEOサミットで「第3の道」を標榜

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タイ・バンコクで11月18日と19日に開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に先立って開催されたCEOサミットにマクロン仏大統領も出席した。大統領は、中国と米国を大きな象に例えて、二匹の象が苛立つと、ジャングルの残りの動物たちにとって難儀になると述べて、協力を呼びかけた。
マクロン大統領が呼びかける第3の道とは、即物的には、フランスによるアジア太平洋諸国への兵器輸出の拡大を意味する。中国と米国のいずれも刺激せずに軍備を増強するには、第3の勢力からの調達によるのがいちばんだとして、関係強化を売り込む方針とみられている。フランスはそうした戦略に沿って、今年初頭には、インドネシアから戦闘機ラファールの42機の受注を獲得。スコルペヌ級潜水艦(通常動力型)2隻の輸出でも交渉を進めている。スコルペヌ級潜水艦はフィリピンにも売り込んでおり、こちらでは韓国勢と契約を争っている。マクロン大統領は18日に、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領と会談。フランス側は、フィリピンによる初の原子炉整備計画にも関心を抱いている。
フランスは、アジア太平洋地域に8000人弱の兵員を配備しているが、この数は米国(兵員9万3000人と海兵8万6000人)には遠く及ばない。装備もほとんどない。仏政府は近く、アジア太平洋地域の兵員増強を発表する見通し。