ボルヌ首相の所信表明演説:EDFの再国有化など予告

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ボルヌ首相は6日、所信表明演説を行った。与党連合が過半数を失ったことを踏まえて、野党側に建設的な姿勢で対話と協議に応じるよう呼びかけた。
首相はこの機会に、野党の各議員団の団長の名前を列挙し、協力を呼びかけた。ただし、極右RNと左翼政党「不服従のフランス(LFI)」の議員団団長の名前は挙げず、政府が極右及び極左と位置付ける両政党を協力の相手から暗に除外した。
首相は、懸案の年金改革については、必要な改革であるとして実行への決意を表明したが、具体的な内容は、労使を含めた各方面との開かれた協議を経て詰めるとして、一方的に改革を実行することはしないと約束した。
首相はまた、気候変動対策などに絡めて、EDF(仏電力)について、100%株式を国が取得すると予告。EDFの再国有化を要求する左派勢力への配慮を示した。報道によれば、EDFのレビCEOは2023年5月の任期満了を待たずに退任し、後任が任命される見通しだという。
首相はその一方で、いわゆる「生産に係る税」の減税について、CVAEの全廃を2023年予算法案に盛り込むと予告した。CVAEは、事業所の付加価値を課税標準とする地方税で、首相によれば80億ユーロ程度の減税となる。これは右派勢力と経営者に対する目くばせと考えられる。首相はこのほか、身障者向け手当AAHの支給額算定において、配偶者の収入を考慮に入れた減額をしないよう、制度を改めることを提案した。こちらは主に左派勢力が要求していた措置だった。