国会議員の出産増える:規定の整備が課題に

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女性国会議員の出産が増えるようになった。出産・育児休暇等に関する規定が国会にはなく、しかるべき対応を求める声も上がっている。
以前は女性議員の数も少なかったが、現在では下院における女性比率は37%に上っている。より若い世代の当選も増えており、在任中に出産するケースが目立つようになった。与党「ルネサンス」の下院議員団団長を務めるオロール・ベルジェ議員は10月に出産を予定。「個人的かつ政治的な理由により」3ヵ月の育児休暇をとる考えはないと説明しているが、同時に、自身の早めの職場復帰が「悪い見本」となって、世の女性たちに罪悪感を与えたり、圧力がかかるようなことがあってはならないとも思うと言明している。
男性中心の世界が長く続いてきたため、国会には、育児休暇等に関する規定はない。選挙区の市民たちを国政において代表する者として、議員が長らく事実上の空席となることは建前上問題があり、女性議員らもあまり休んではいられないという事情がある。やはり10月に出産を予定するイニェ下院議員(左翼政党LFI所属)は、代議員へのバトンタッチを可能にする方向で法律を改正することを提案。代議員とは、選挙の際に主たる候補とペアの形で立候補する者で、議員が死去するか、閣僚に就任する(閣僚と議員の兼務は禁止されている)か、憲法評議会の委員に就任する場合に限り、代わって議員に就任する規定となっている。これに、出産・育児休暇も追加するというアイデアだが、前出のベルジェ議員は、法改正によらず、議会の内規等の形で、代理投票を可能にするなどのやり方を提案している。歴代で初めて女性として下院議長に就任したブロンピベ議長も、この問題についてしかるべき対応を検討すると約束した。