ルパリジャン紙は9月4日付で、若い世代を中心に、従位接続詞のqueを省略する言い方が増えていると報じた。カーン・ノルマンディ大学のポストドクのマチュー・グー氏の談話を引用して報じた。
英語では、例えば「I know (that) you are my friend」(君が私の友人であることはわかっている)という風に、従位接続詞のthatを「省略」することができる。フランス語で同じことを言い表そうとすると、「Je sais que tu es mon ami」のように、従位接続詞のqueを普通は省略できないが、これを省略する言い方が増えているとされる。若い人に理由を尋ねると、そちらの方が早いからだという答えが返ってきたという。
ただ、本当にそのような現象があるのかには疑問があるように思われる。この記事に挙がっている用例は主文が肯定文のものばかりで、主文を否定にした場合にも言えるのかが判然としない。記事中の用例「Je pense il va pleuvoir」(雨が降るだろうと思う)を否定形にして、「Je ne pense pas il aille pleuvoir」と言えるものなのか(英語なら可能である)。もし、主文が肯定文でなければ「省略」は起こらないのだとするなら、そもそもこれらは2つの文章が並んだものだと分析した方が適当かもしれない。「私は思うのだけれど、雨が降るよ」という風に、まずそれが意見の表明であることを言い、次いで表明の内容を提示したものだと考える方が事実に近いのではないだろうか。