ボーヌ運輸担当相、ビジネスジェットの利用規制に言及

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

ボーヌ運輸担当相は20日付のルパリジャン紙に対して、ビジネスジェットの利用規制導入に賛成する姿勢を示した。省エネに向けて国民に緊急の協力を求める中で、ビジネスジェットの利用は努力に逆行し、ダブルスタンダードの印象が強いとし、しかるべき規制の導入に前向きの姿勢を示した。課税を含めて、利用の差し控えを促す措置が検討対象になっているという。ボーヌ運輸担当相に近い筋は、ビジネスジェットの関連産業がフランス経済にとって重要であることを挙げつつ、ビジネスジェットの飛行を禁止するものではなく、欧州連合(EU)のレベルでしかるべき規則を定めることを目指すものだと説明している。
これに対して、環境政党EELVのバイユー代表は、ビジネスジェットの問題が政治的議論の中に浮上したことを歓迎しつつも、課税では不十分であり、厳しく利用を制限する措置の導入が必要だとした。ビジネスジェットの利用者の平均資産額が130万ユーロだとする推計を示しつつ、例えば1万5000ユーロといった課税を導入したところで、少しも痛みはなく、抑止効果もないと主張した。
このところ、スターや実業家のビジネスジェット稼働を調べて公表するといった運動の展開も目立ち、利用の行き過ぎの実例が取り沙汰されるケースが増えている。航空部門は世界の二酸化炭素の排出量の2-3%を占めるが、ビジネスジェットは、乗客1人当たりのカーボンフットプリントが、旅客機の5-14倍、列車の50倍に上るといわれる。なお、ビジネスジェットの利用は、新型コロナウイルス危機の発生後に、衛生上の配慮を優先する富裕者の需要を吸い取る形で大きく増加している。