フランスでの新型コロナウイルスによる死亡者数、10万人程度か

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新型コロナウイルスによる死者者数について、INSEE(国立統計経済研究所)が独自の推計値を発表した。これは、感染が始まったとみなされる2020年3月から2021年12月までの超過死亡率に基づくもので、9万5000人と算定した。ちなみに、死亡原因疫学センター(CepiDC)の集計によると、新型コロナウイルスが原因の死亡者数は2020年3月から2021年12月までの期間に、13万人から14万6000人に達し、このうち病院での死亡者が12万4000人を占めたという。INSEEの推計値はこれをかなり下回るものとなった。
超過死亡率は、本来想定される死亡者数を実際の死亡者数が超えた割合だが、本来想定される死亡者数の算出自体が複雑で、様々な要因(人口高齢化、年間日数の違い、寿命の伸びなど)を考慮しなければならない。また、超過死亡の全てが新型コロナによるとは限らず、猛暑やインフルエンザなども超過死亡をもたらすが、INSEEは当該期間については、こうした影響は軽微だと判断。2020年の超過死亡率は7.5%(本来想定された死亡者数は62万2200人だが、実際には4万6700人の超過を記録した)、2021年には6.3%だったという。2022年の1月と2月にもそれぞれ7.8%と2.4%の超過死亡がみられたため、累計すると新型コロナウイルスによる死亡者数は10万人超と推定される。なお、2020年には高齢者の死亡が増加した結果、2021年には85才以上の年齢層の超過死亡率は低下し、95才以上では超過死亡は発生しなかった。逆に2021年には35-74才の超過死亡率が上昇した(2020年の3%が7%へ)。