10月7日、日本関連報道

10月7日、日本関連報道

1.対日論調を含む記事
ル・モンド紙(10月7日付、1、9面)
「複雑系の研究にノーベル賞(Un Nobel pour l’etude des « systemes complexes »)」(David Larousserie(ダヴィッド・ラルースリ)記者、Herve Morin(エルヴェ・モラン)記者)

2021年のノーベル物理学賞は、気候変動や合金内での原子の配列などの「複雑系の理解に対する画期的な貢献」に与えられた。物理学賞は2つに分けられ、1つは真鍋淑郎氏(米国籍)とクラウス・ハッセルマン氏(独)に、もう1つはジョルジョ・パリージ氏(伊)に授与された。真鍋淑郎氏とクラウス・ハッセルマン氏の受賞理由は、「気候変動の物理学的モデル化と、変動の量的処理、地球温暖化の信頼できる予測」に貢献したこと。ジョルジョ・パリージ氏の受賞理由は、「原子レベルから地球レベルに到るまでの無秩序の相互作用及び物理システムにおける揺れの発見」とされている。地球温暖化に関する科学的研究にノーベル賞が与えられるのは今回が初。

真鍋氏は気候のモデル化の先駆者の1人だ。1950年代に日本を去り、ジョン・フォン・ノイマンが最初のコンピュータの開発を進めた米プリンストン大学で、気候のモデル化を推進した。プリンストン大で真鍋氏と同僚だった気象学者のV.バラジ氏は、「真鍋氏は、無限に計算を続けるモデルがどういう結果を出すのか興味を持っていた」と証言する。真鍋氏はまた、大気中の空気の塊の動き方をモデル化した最初の研究者でもある。1967年には、大気中のCO2濃度の倍増によりもたらされる地表における気温上昇のシミュレーションを行った。1975年には、海洋と大気の動きをシミュレーションすることにより、地球温暖化が起きることも示した。真鍋氏の1970年代の研究は、米大統領府の依頼によりジュール・グレゴリー・チャーニー氏(気象学者、当時はマサチューセッツ工科大所属)が主宰した委員会の報告書に採用された。報告書では、大気中のCO2濃度が2倍になれば、地上の気温が1.5-4.5度上昇するとの予測が示された。この上昇幅予測は、今日のものとほぼ同じだ。

ハッセルマン氏は、ハンブルクのマックス・プランク気象学研究所所属で、気候システムの変動において人間の活動に帰せられる部分を決定するためのツールを開発した。バラジ氏は、ノーベル賞が真鍋氏とハッセルマン氏と同時にパリージ氏に与えられたのは驚くべきことではないという。バラジ氏によると、彼らは、「予測可能性と混沌、秩序と無秩序、信号と雑音などの境界にあるシステムについて研究した」ことで共通点を持つと指摘する。