Ayro、新型セイルの工場をウイストレアム港に開設へ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

帆船の新コンセプトを開発する仏Ayro社はこのほど、ノルマンディ地方カーン市近郊のウイストレアム商業港内に初の工場を開くと発表した。同社が開発した商船用のセイル「Oceanwings」の商業生産に乗り出す。
Ayroが開発したOceanwingsは複合材料製で、高さは33メートル、幅は11メートル。縦長の長方形のような形状で、従来のセイルに比べて、同じ表面積なら2倍の出力を確保できる。操作はソフトウェアにより完全自動化され、風力と風向に基づいて最大限の効率を達成できるよう制御される。ローロー船やガス運搬船、コンテナ船などによる導入を想定し、燃料節減と二酸化炭素・排気ガスの削減に貢献するハイブリッド推進用に売り込む計画。
Oceanwingsのコンセプトは、2010年のアメリカズカップに出場した「BMWオラクル・レーシング」のトリマランに端を発している。Ayroはその数年後に発足し、ADEME(環境・省エネ庁)の資金協力を得てコンセプトを完成させた。フランスの試験船「エナジー・オブザーバー」号にも採用され、技術実証に成功した。ローロー船の場合なら、燃料消費を平均で15-20%削減できるという。商業生産は2022年初頭にも開始できる見込みで、同年内に初の引き渡しの実現を目指す。

ouest-france.fr 2021-09-06