建設廃棄物の不法投棄抑止、新規制が7月1日に施行へ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

建設廃棄物の適正処理の推進を目的とする新制度が7月1日に施行される。不法投棄の抑止を目的に導入される。
建設廃棄物の不法投棄が社会問題となって久しい。2019年8月には、不法投棄をとがめたシーニュ市(バール県)の市長が業者の運転するトラックにはねられて死亡する事件が発生。政府はこれを踏まえて、循環経済法の中に規制措置を盛り込んでおり、それが施行の運びとなる。
具体的には、請負業者は見積書において、発生する廃棄物の量の見込み、その処理と分別の方法、持ち込み先の処理施設を明記することが義務付けられる。さらに、廃棄物の処理コストを施主に対して通知することが義務付けられる。また、正規の処理施設に廃棄物を託した旨の証明を、当局又は施主の求めに応じて提示しなければならない。見積書に関する義務違反は、罰金1万5000ユーロ(自然人の場合は3000ユーロ)、処理に関する義務の違反には、罰金7万5000ユーロと2年以下の禁固刑を科される。
処理の費用の可視化を義務付けることで、不法投棄により費用を圧縮して不公正な競争を仕掛ける悪徳業者を排除できる。なお、建材に関する製造者責任の導入により、分別を経た廃棄物であれば、製造者が回収とリサイクルを無料で行う制度も2022年1月に施行されることになっており、これも不法投棄をなくす上で効果を発揮すると期待されている。
フランスの建設廃棄物は年間に4600万トンが発生している。うち1000万トンが建具などとなっているが、リサイクル率は石膏プレートで15%、板ガラスで数%と低く、改善の余地は大きい。