仏高等教育機関のIFM(フランスモード研究所)はこのほど、国内の衣類販売業者ランキングを発表した。1250人の代表的な消費者を対象に毎月実施のパネル調査の結果などを踏まえてまとめた。実店舗とオンライン販売の両方について、数量ベースで業者の実績を調べた。
これによると、オンライン販売でアマゾンと中国勢のSHEIN及びTEMUの3社は合計で2025年1-3月期に29%のシェア(オンライン販売限定)を達成した。ただ、これら3社は実店舗も含めた全体のシェアでは7%を占めるに過ぎない。数量ベースでの販売でトップはVinted(古着販売の仲介プラットフォーム)で、これにアマゾンが第2位で続いた。割安が売り物のアパレルチェーンKiabiが3位となり、実店舗を通じた販売が衰えていないことを示した。以下、デカトロン(スポーツ用品販売)が4位、SHEINは5位に入った。その後には、H&M(アパレルチェーン)、Intersport(スポーツ用品販売)、オーシャン、カルフール、ルクレール(いずれも食品小売)が続いた。
トップ10に食品小売の3社が揃って入ったことは、これらの業者が展開するハイパー(ワンフロアに食品だけでなく、衣類や家電などを幅広く販売する郊外型の大型店舗)と呼ばれる業態が、時代遅れとみなされつつも、衣類の販売で依然として大きな地位を占めていることをうかがわせている。スポーツ用品販売店が上位を占めていることも目につく。安値が重要な切り口になっているのも確かで、日用品・雑貨を中心に安値をアピールする量販店のアクションも、ランキングにおいて14位に入っている。