仏大手銀行の4-6月期業績が出揃った。いずれも国内リテール銀行業の苦戦が続く展開となった。
最大手BNPパリバは、経常収益が前年同期比8.0%増の122億7000万ユーロ、純利益が同20.8%増の33億9500万ユーロとなった。クレディアグリコル・グループは、経常収益が同0.4%減の95億700万ユーロ、純利益が同18.3%減の20億2800万ユーロだった。ソシエテジェネラルは経常収益が同6.3%増の66億8500万ユーロ、純利益が同23.7%増の11億1300万ユーロだった。BPCE銀行は、経常収益が同2.9%増の56億2600万ユーロ、純利益が同17.2%減の8億600万ユーロだった。
リテールを主力とするクレディアグリコルとBPCEで減収減益となった。BNPパリバとソシエテジェネラルは他の事業が補填する形で増収増益を確保したが、国内リテール業の回復の遅れは両行でも目立つ。特に、ソシエテジェネラルは、リテール部門融資の金利純収入見込みの下方修正が響いて、業績発表当日の1日に9%近くの株安を喫した。各行とも、足元の政局混迷に伴う先行き不透明感などを材料に、家計が消費ローンや住宅ローンなどの融資需要を絞り込んでいることの影響を受けている。不良債権に係る引当金の増額も業績を悪化させる要因になっている。