OECDの国別労働時間統計、フランスは依然として最下位グループに

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OECD(経済協力開発機構)の統計によると、フランスの住民一人当たりの労働時間は直近の数年間に増加したものの、2023年は依然として加盟国中の最下位グループに属している。7月22日にレゼコー紙が明かした。
OECD統計による2023年の国別の住民一人当たり労働時間で、フランスは664時間と、欧州平均の770時間を14%下回った。スペインは715時間、ドイツは729時間、イタリアは767時間、ポルトガルは803時間、ルクセンブルクは1114時間、EU(欧州連合)域外では米国が835時間、英国は738時間だった。この数字には人口バイアスが含まれているため取り扱いに注意が必要だが、データは、各国の労働力の強度と、若年層、高齢層、低資格層に対する雇用維持力または雇用提供力を反映している。
とはいえ、フランスの一人当たり労働時間としては1995年の統計開始以来最高で、2017年より47時間増加している。OECDのカルシヨ雇用所得部門チーフは、「2017年に就任して以来のマクロン大統領による相次ぐ労働市場改革が、雇用創出と高齢層・年金受給層・若年層・職業訓練生の就業率改善を促し、失業率を7%台まで引き下げたと見て取れる」と解説する。
本統計では就労者の労働時間は分からないが、これとは別のOECDのデータによると、2023年のフランスのフルタイム労働者の週労働時間は38.7時間で、ドイツの39.2時間、米国の41.2時間より短い。就労者の年間実労働時間を比較するとこの差がさらに顕著になる。Rexecode(民間経済研究所)の最近の調査によると、2022年のフランスのフルタイム労働者の年間実労働時間は平均1668時間で、欧州平均の1792時間、ドイツの1790時間より短かった。経営者団体に近いRexecodeは、仏独の差は約3週間分の労働に相当し、その3分の1はフランスの週労働時間がドイツより短いこと、残りは有給休暇と疾病欠勤に起因すると説明した。