下院議長選出、プロンピベ議長が再選果たす

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下院は18日、総選挙後の特別会の招集に伴い、議長選挙を行った。改選前の与党連合所属のブロンピベ議長(女性)が第3回投票で賛成多数により再選を果たした。
マクロン大統領が決めた解散総選挙では、極右勢力の過半数確保を阻めたものの、極右、左派、与党の各勢力が拮抗する形になり、多数派の擁立は極めて難しくなっている。通常なら議長選挙は無風だが、今回は状況が状況だけに、6人が立候補して厳しく争う異例の展開となった。第1回投票では、ブロンピベ議長は得票率でシャセーニュ(共産党)、シュニュ(極右RN)に次ぐ第3位となり、オリゾン(旧与党連合に所属)と保守野党の共和党所属の2候補がふるい落とされた。第2回投票では、オリゾンと共和党の合流を得て、ブロンピベ議長が210票でトップに立った。第2回投票で中道野党グループLIOTの候補が脱落し、最後の第3回投票において、プロンピベ議長が最多得票により、過半数を得ないまま規定に沿って選出された。
LIOTのドクルソン議員は、中間勢力の糾合を掲げて立候補したが、実らなかった。第3回投票は、与党連合と左派連合、そして極右の3大勢力のにらみ合いが続いていることを示す結果になったが、共和党の協力を得た少数政権樹立の可能性を示唆する結果とみることもできる。ただ、こうしたまとまり方は、変化を求めた多くの有権者の失望を招く可能性もある。
なお、下院の院内会派の力関係を見ると、総議席数577のうち、単独での最大勢力は極右RNの126議席で、以下、マクロン大統領派の「共和国団結派」が99議席、左翼「不服従のフランス(LFI)」が72議席、社会党が66議席、共和党「共和右派」が47議席、環境派が38議席、中道与党MODEM「民主派」が36議席、オリゾンが31議席、LIOTが21議席、「民主共和左派」(主に共産党)が17議席、共和党からRN支持に回ったシオティ派が16議席となった。これ以外に会派に属さない議員が若干名を数える。