メトロのカラス、救出が成功

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パリ・メトロの構内に数ヵ月前から生息していたカラスが9日未明に救出された。専門家チームが捕獲に成功、屋外に放された。
問題のカラスは去る11月初頭にパリ東部11区内のメニルモンタン駅(2号線)に現れた。いつまでもそこにいるので、通行人らが餌や水をやるなどしていた。メトロを運営するRATP(パリ交通公団)はカラスを外に出そうとしたが果たせず、12月末にパリ自然史博物館の専門家であるフレデリック・ジゲル氏に依頼して、救出作戦に本腰を入れた。1月31日夜に捕獲作戦が計画されたが、その直前の26日にカラスはなぜか姿を消した。それと同時に、新たなカラスが同じく11区のパルマンティエ駅に出現した。同駅は3号線で、同じカラスであるという保証はないが、ジゲル氏は、同じカラスに間違いなく、通用のトンネル経由で「乗り換え」たのだろうと説明している。捕獲作戦は場所を移して引き続き31日に計画されたが、工事などの作業が行われていたのに嫌気がさしたのか、カラスは隣のサンモール駅まで再び移動し、作戦は実行できなくなった。仕切り直しの8日夜の作戦では、嫌なことがあるとどこかへ飛んでゆくというこのカラスの習性を利用し、嫌がらせをして逃げた先に網を構えておくという戦略が奏功し、9日未明に捕獲に成功した。
カラスはストレスを受けてはいるが、健康状態は良好だった。検量を行い、「150」の番号が入った足輪をつけて、至近距離にあるペールラシェーズ墓地に放された。