仏政府、EV購入奨励金の対象モデルを選定:中国組み立て車は除外

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仏政府は14日、2024年年頭から施行のEV購入奨励金制度について、支給対象モデルのリストを公表した。56モデルが選定された。
新制度においては、購入につき5000ユーロ(低所得者の場合は7000ユーロ)の奨励金が支給される。政府は、製造や輸送段階を含めた環境負荷を選定の基準に設定。このため、中国で組み立てのモデルは支給対象から除外された。ダチア(ルノー傘下)のスプリングがその好例。また中国SAIC(上海汽車)傘下のMGは、選ばれないことを見越して、最初からMG4を申請しなかった(申請には、製造場所や調達率などのデータの提出が必要)。テスラの場合は、モデル3が中国組み立てのため選外となったが、モデルYはドイツ組み立てで対象に入った。中国大手BYDも申請した2モデル(Atto 3、Dolphin)のすべてが選外となり、韓国の現代グループも、チェコで組み立てのKonaのみが選ばれた。日本勢では、マツダのMX-30、日産のTOWNSTARとLEAF、トヨタのPROACEが入った。
これとは別に、低所得者向けの「月額100ユーロのEVリース」についても詳細が発表された。同制度は、年間標準所得額が1人当たり1万5400ユーロ以下の人に利用資格があるが、EVの台数に限りがある(2024年に2万台強)ため、職業上の理由で年間8000km以上の走行実績のある人か、15km以上の距離を通勤する人に、優先的に申請する権利が認められる。対象モデルは、購入奨励金制度の対象に限られる。国は1件につき1万3000ユーロの支援を行い、月額100ユーロという低料金を実現する。