年末はカレンダー訪問販売の季節

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

年末にはカレンダーの訪問販売者がやってくる。11月から12月末までがシーズンで、郵便配達人と消防士が「公認」扱いとなっている。
郵便配達人は自前で「ラポスト」のロゴの入ったカレンダーを購入し、自分の担当地域の家屋を回ってこれを提供する。これは「転売」ではなく、あくまでもチップを求める行為であり、その限りで、税務当局はこの収入を非課税としている。「ラポスト」印のカレンダーは、オベルチュールなど4社が製造しており、地元の地図や、満潮・干潮といった情報も掲載されているので、一部にはファンもいる。ほかの人がどの程度払っているのかが気になるところだが、南西地方に勤務する配達人は、「これまでに100冊程度を売って、1300ユーロ近く集まった」と証言していて、10ユーロか20ユーロというのが相場らしい。郵便配達人にとっては1ヵ月分のボーナスという位置づけになっている。
消防士の場合はカレンダーを口実に寄付を集めている。消防士の互助会等の収入となる。担当地区を決めて分担して各戸を回っているため、ラポストと同様、こちらも何度もやってくることはないという。パリで勤務する消防士の証言だと、「寄付金の平均は8ユーロ程度で、20ユーロ札から2ユーロ玉まで様々」で、数年来の推移を推し量るのは難しいという。消防士のカレンダーへの支払いが寄付として所得税の納税額から控除可能であるかどうかについては諸説あるが、やらない方が無難であると考えられる。カレンダーとは別に、消防士孤児の援助団体などの公益団体に直接に行った寄付はもちろん控除の対象になる。
街路の清掃員等のカレンダー売りは、パリにおいては禁止されており、周回しているのは騙りが多いと考えられる。ただし、ボルドーなど一部の自治体では許可されており、地域により事情は異なる。