グザビエ・ニエル氏、ベルギーの通信大手プロキシマスの6%株式を取得

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仏大物実業家のグザビエ・ニエル氏は11月14日、ベルギーの通信最大手プロキシマス(Proximus)の6%株式を取得した。ベルギー市場への関心が具現化した。
ニエル氏は、仏フリー(通信)の創業者で、その親会社であるイリアッドを保有している。イリアッドは、ポーランドとイタリアでも通信事業を展開している。その一方で、ニエル氏は、持株会社Carraunを通じて、アイルランドの通信事業者Eirを所有しているが、そのCarraunを通じて、プロキシマスの6%株式を取得した。
プロキシマスは現在、ベルギー国内で光ファイバー網の展開を進めており、その投資額は90億ユーロに上るとみられている。ベルギーの当局機関は1ヵ月前に、事業者間で地域を分割して敷設を進める合意を結ぶことを認めており、投資額を節減しつつ展開を進める条件が整ったところで、ニエル氏は出資に乗り出したことになる。
プロキシマスは2022年の年商が61億ユーロ。2023年には増収を見込んでいる。ベルギーでは、2位のテレネット、3位のオレンジ・ベルギー(仏通信大手オレンジの子会社)を抑えて最大手で、ルクセンブルクとオランダでも事業を展開。最近では企業買収を通じてインドにも進出した。市場はニエル氏の出資を歓迎し、プロキシマスの株価は14日に一時6%の上昇を記録した。