CMA CGM、ラトリビューンを買収へ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

仏海運大手CMA CGMのロドルフ・サーデCEOは26日、ニュース専門サイト「ラトリビューン」を運営するHIMAグループの株式100%を買収する提案を行ったことを明らかにした。
ラトリビューンはかつて、高級ブランドLVMH傘下の経済紙だった。その後、新聞の発刊は停止されてネット専業となり、2012年以降はトゥールーズの実業家トルトラ氏の傘下に入っていた。現在は地方単位のニュースレター(17ヵ所の拠点を展開)と、経済関係のイベント開催(「欧州アフリカ・フォーラム」など)にも力を入れている。従業員数は90人(うち40人程度がジャーナリスト)で、2022年には前年比で37%増のビジット数8650万を達成し、デジタルニュース分野では仏市場で最高の伸び率を記録した。ラトリビューンの2022年の年商は1200万ユーロで、黒字経営だという。
CMA CGMは、新型コロナウイルス危機やウクライナ情勢に伴う用船レートの上昇が追い風となってこの数年間に巨額の利益を積み上げている。黒字の使い道の一つがメディア部門への投資で、最近では南仏の地方紙ラプロバンス・グループを買収し、民放大手M6の10%株式も取得した。オンラインメディアの「Brut」への出資も果たしている。