男女平等の企業評点制度、労組が問題点を指摘

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男女平等の企業評点制度で2022年分の評点が公表の時期を迎えた。労組CFDTは6日にこの件で報告書を公表し、制度の問題点を指摘した。報告書は、経済研究所のIPPが依頼を受けて作成した。
男女平等の企業評点制度は、2018年に制定された法律により導入された制度で、企業における賃金面をはじめとする男女平等の達成状況を評価する尺度として導入された。2019年に従業員数250人超の企業を対象に導入され、次いで2020年からは従業員数50人超の企業に適用が広げられた。評点が100点満点で75点に満たない企業には罰金処分が適用される規定となっている。
報告書は、従業員数50人未満の企業に勤める従業員が民間部門全体の43.9%を占めることを指摘し、現行制度では取りこぼしが多すぎると指摘。さらに、本来は評点を公表する義務がある企業に限っても、半分余りの従業員が公表から漏れている(2020年のデータ)と指摘した。30%程度は企業側のコンプライアンス違反だが、25%近くは例外規定に基づいて公表をしていない。例えば、勤続6ヵ月未満の就労者などは対象に入らず、対象外の人が全従業員の60%を超えている場合には、意味のある比較にならないとして計算免除になるという規定があり、報告書では、例外規定が多すぎることを問題視している。また、男女の給与の差について、5%未満ならゼロとみなすという規定などもあり、結果として甘すぎる評点になるとも指摘した。なお、2022年の評点の平均値は、100点満点中86点と高い(前年は85点)。