政府は13日、2023年予算法案が前提とするマクロ経済予測について公表した。成長率予測を下方修正し、インフレ率については上方修正した。
これによると、2023年の経済成長率は1.0%となる。2022年の2.5%と比べて顕著に減速する。7月時点で政府が示した予測値を0.4ポイント下方修正した。下方修正の理由として、ウクライナ危機の影響と主要な貿易相手国における困難、エネルギー価格の高騰を挙げた。その一方で、2023年の平均インフレ率は4.2%と予想。こちらは7月時点の予測値である3.2%を上方修正した。インフレ率がピークを迎えるのは2023年中になると予想。年頭にかけてインフレ亢進が続くとも予想した。
政府はそれでも、2023年の財政赤字の対GDP比を5%に抑えるとの既定の目標を維持した。ガス・電力料金の抑制策が来年年頭に見直され、10-20%程度の上昇を容認する形にして支援が縮小される見通しだが、それでも政府の費用負担は数百億ユーロに上るとみられる。その一部は、電力価格高騰に伴い大きな利益を挙げる再生可能エネルギー事業者からのマイナスプレミアムの徴収(2023年に150億ユーロ程度となる見込み)により補填される。政府はまた、物価上昇分を除いた実質ベースで歳出を0.3%削減する方針を確認した。また、法人税税収は2023年に当初予定より30億ユーロ増の552億ユーロが見込まれるなど、好調な税収にも支えられる。政府はその一方で、CVAE(法人対象の地方税)の廃止(80億ユーロ)を2年間かけて行うことを決め、減税規模を小さくした。相続税制の改革も先送りを決めた。なお、公的債務残高の対GDP比は、2022年の111.5%に対して、2023年に111.2%へとわずかに低下するという。