フランス中銀は13日、マクロ経済予測を公表した。ウクライナ危機を踏まえて従来予測を下方修正した。
中銀は、2022年の原油価格を93ドルとする予測と、119ドルとする厳しい予測の2つを立てて、それぞれについて経済成長率を予測した。いずれのシナリオが確からしいかは判断ができないとした。これによると、2022年の経済成長率は、前者のシナリオで3.4％、後者のシナリオで2.8％となる。中銀によれば、ウクライナ危機がなかったら、成長率は3.6-3.9％に上ったはずだった。2023年と2024年にはさらに減速し、前者の場合で2％と1.4％、後者の場合で1.3％と1.1％へ後退する。インフレ率（EU基準）は2022年に、前者の場合で3.7％、後者の場合では4.4％まで上昇する。中銀はウクライナ危機前には、2022年末までに2％前後まで減速すると予想していた。2023年と2024年には、前者の場合で1.9％と1.7％へと減速するが、後者の場合では2023年に3.3％と高めにとどまり、2024年に1.5％まで下がるという。
中銀のビルロワドガロー総裁は、ユーロ圏全体と比べると、フランスはロシアへの天然ガスの依存が低く、化石燃料への依存も低めであるため、影響がわずかに小さくなるとの予想を示した。また、どのような仮定を採用しても、マイナス成長に陥ることはないとし、新型コロナウイルス危機と比べると影響は小さいとの見方も示した。