欧州委、春季経済見通しでユーロ圏成長率を大幅下方修正

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欧州委員会は5月19日、新たな経済見通しを発表した。トランプ関税とそれが招いた世界経済の大きな不確実性の影響を考慮し、ユーロ圏のGDP成長率予測値を大きく下方修正した。昨年11月時点の見通しでは、2025年に1.3%、2026年に1.6%の成長を見込んでいたが、米国が関税を引き上げて以来、この予想は楽観的過ぎるとみなされていた。新たな見通しでは、2025年に(前年並みの)0.9%、2026年に1.4%の成長を予測している。EU全体の成長率予測値は、2025年に1.1%、2026年に1.5%。インフレ率については、ユーロ圏で2025年に2.1%、2026年に1.7%と予測しており、インフレを巡る懸念は後景に退いた。
主要国のGDP成長率予測値は、ドイツが2025年にゼロ%、2026年に1.1%、フランスが2025年に0.6%、2026年に1.3%、イタリアが2025年に0.7%、2026年に0.9%、スペインが2025年に2.6%、2026年に2.0%など。2025年にマイナス成長に陥る加盟国は、オーストリアのみ(マイナス0.3%)と予想されている。