映画制作・映画館経営の仏パテは12日、実業家ロドルフ・サーデ氏の持株会社Meritが20%株主になったと発表した。増資を引き受けて株主となった。出資額は公表されていない。
サーデ氏は海運大手CMA CGMを経営するレバノン系の実業家。CMA CGMは近年、メディア部門への投資を拡大しており、RMC(ラジオ局)とBFM-TV(テレビ局)、経済紙ラトリビューン、地方紙コルス・マタンとラプロバンス、さらに、Brut(雑誌)の15%株式、民放グループM6の10%株式などを保有する。最近では、NRJグループから地デジ無料局「シェリ25」を買収することで合意したばかりで、パテへの出資もその流れに連なる。サーデ氏の出資先の映画制作会社Yaplukaは、パテとヒット作「モンテクリスト伯」の制作にも協力していた。
パテは90歳を迎えたセイドゥー氏が率いる一族経営企業で、投資資金確保のために出資者を探していたが、これまでは不調に終わっていた。パテはフランスをはじめとする欧州とアフリカに映画館を展開。高級化と新技術の導入に積極的だが、それだけに資金を必要としている。映画制作でも大作志向で、「ドゴール」2部作など金のかかる新作を準備している。