仏2024年の財政赤字、対GDP比は5.8%に

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

27日発表のINSEE速報によると、フランスの財政赤字総額は2024年に1696億ユーロに上り、対GDP比では5.8%に達した。同比率は、前年には5.4%、その前の2022年には4.7%だった。歳入は2024年に3.1%の増加を記録、増加率は前年の2.2%を上回った。国民負担率(対GDP比)は42.8%となり、前年の43.2%から低下が続いた。歳出は3.9%増を記録し、前年(3.7%増)よりも増加の勢いが強まった。公的債務残高の対GDP比は、2024年末時点で113.0%となり、1年前の109.8%から目立って上昇した。
政府は当初予算法で2024年の財政赤字の対GDP比を4.4%に抑制することを目指していた。それに比べて実際の財政赤字は大きく膨張し、対GDP比では、新型コロナ期を除くと過去最高の水準に達した。歳出の膨張が止まらなかったのが赤字を押し上げた格好となり、政府の予算運営の欠陥を追及する声が以前から上がっている。ただ、政府は一時、2024年の財政赤字の対GDP比が6.1%に上るとする悲観的な予測を明らかにしており、それと比べると、実際の数字は低めにとどまった。政府は2025年に同比率を5.4%まで圧縮することを目標に掲げており、目標達成に向けた数少ない好材料が得られた。