知財権集約型の経済部門、欧州連合(EU)雇用の29.7%に貢献

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欧州特許庁(EPO)はこのほど、知財権が経済成長に及ぼす効果に関する調査報告書を公表した。この調査は、欧州特許庁が定期的に実施して公表しているもので、前回の報告書の発表は2019年に遡る。報告書は、各種の知的財産権について、知財権への依拠が著しい経済部門を特定し、その経済効果などを推定している。2022年版によると、2017-19年の期間に、これら知財権集約型の経済部門が欧州連合(EU)のGDPに占める割合は47.1%となり、前回報告書の対象期間である2014-16年の46.2%を上回った。金額では6兆3760億ユーロに相当する。これらの経済部門の直接雇用数は6150万人となり、それがEUの雇用全体に占める割合は29.7%に上った。前回調査時の28.9%を上回った。これら部門に財又はサービスを供給する経済部門における間接雇用は2000万人に上り、これを含めた直接・間接の雇用数は8150万人で、EUの雇用全体の39%を占めた。知財権集約型の経済部門がEUの輸出に占める割合は80.1%となり、前回調査時の79.1%を上回った。EU域内貿易に占めるシェアは76%だった。域外貿易においては2017-19年に2240億ユーロの黒字をもたらしており、うち2180億ユーロは知財権のうち特許集約型の経済部門がもたらしている。

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