仏政府、独自の衣類向け「エコスコア」表示へ

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エコロジー移行省は4月3日、国民が購入する衣類の環境負荷表示に向けた算定ツール「Ecobalyse」を披露した。これにより各衣類が環境に及ぼす影響が「エコスコア」として表示されることが可能となる。今後一ヵ月間は業界や各種団体を対象とする諮問にかけられ、5月に政令(デクレ)を公布、今秋の施行を目指す。エコスコア表示は最初は任意となるが、2025年以降は義務付けられる予定。2021年成立の「気候・レジリエンス法」により、2025年以降に繊維を含む複数部門でのこうした表示が義務付けられている。
欧州委員会は同様の目的で2013年より「製品環境フットプリント(PEF)」の導入に取り組んできたが、仏政府は独自のメソッドの展開を決めた。算定ツール「Ecobalyse」はエコロジー移行省とADEME(環境・省エネ庁)による共同開発で、温室効果ガスの排出、水・天然資源の消費、生物多様性への悪影響、公害の誘発といった環境負荷に応じて、「ゼロ」から「無限大」までのスコアを割り出す。エコロジー移行省は、フランスのスコアは欧州の「製品環境フットプリント(PEF)」のメソッドに基づきつつも、洗濯時や廃棄時の製品の毒性など幾つかの補足的基準が加えられていると説明している。