企業倒産件数、2023年にコロナ前の水準に戻る

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仏中銀が5日に発表した統計によると、企業倒産件数(民事再生等含む)は2023年通年で5万5792件となり、前年比で34%の増加を記録した。新型コロナウイルス危機前の2019年の水準まで戻った。ただし、2010-19年の期間の年間平均である5万9300件と比べるとまだ低い水準にある。
企業倒産は、新型コロナウイルス危機時に導入された支援措置の影響で低い水準に抑え込まれた。その後、常態復帰に伴い企業倒産件数も増加し、2023年には危機前の水準に戻った。部門別では、不動産(40.4%増)と建設(38.7%増)で、金利上昇の影響が色濃く出て倒産が顕著に増加。外食・宿泊業でも44.6%の大幅増を記録した。同部門は危機時に手厚い支援を受けたが、その終了に伴い、一時的に中断されてきた社会保険料の納付再開を含めて、危機時に膨らんだ債務への対応が困難になったことが背景にあると考えられる。規模別では、中小企業以上の規模の大きい企業で倒産が増えているのも懸念材料で、足元では、Habitat(デザイン家具)の会社清算が決まるなど、小売分野での倒産案件も目立っている。