仏ケリング(高級ブランド)のピノー一族、米CAAを買収へ

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仏高級ブランド大手ケリングを保有するピノー一族の持ち株会社アルテミスは7日、米大手タレント事務所のクリエイティブ・アーティスツ・エイジェンシー(CAA)を買収すると発表した。米投資ファンドのTPGより保有株式を買収する。買収額は公表されていないが、報道によれば、企業評価額を70億ドル程度(負債含む)に設定して買収は行われるという。
CAAは1975年の設立。本社を米ロサンゼルスに置き、ロンドン、北京、ジュネーブ、ミュンヘン、トロント、ストックホルムなどに事務所を開いている。ブリットニー・スピアーズ、ビヨンセ、アリアナ・グランデなどの著名歌手、トム・ハンクスやブラッド・ピットなどの有名俳優など、多数のスターのマネジメントを手掛けている。ケリングのCEOを務めるフランソワアンリ・ピノー氏の伴侶である女優のサルマ・ハエックの契約先でもある。
アルテミスは、ケリングのほか、プーマ(スポーツ用品)、クリスティーズ(オークションハウス)などの資産を保有しているが、ハリウッドの映画・ショービジネス関連の資産に出資するのは今回が初めて。保有資産の地理上・事業内容上の多角化という戦略に沿って、高い利益率に惹かれて出資を決めた模様。