日刊紙ルパリジャンは5日付で、屋上緑地化の事例を紹介する記事を掲載した。
パリ18区のボーブナルグ通り17番地にある集合住宅(430戸)では、5年越しのプロジェクトの末に、屋上の緑地化を完了した。屋上の緑地化には、都市部のヒートアイランド現象の緩和に加えて、降水時に雨水を留めることにより、雨水がそのまま河川に流れ込んで水質汚染を引き起こすのを妨げることができる利点がある。断熱効果も利点の一つで、特に冬季に効果が大きい。ただし、目立った効果があるのは、外部の温度に影響を受けやすい最上階に限られるという。このプロジェクトの予算総額は10万ユーロ程度に上り、パリ市からのものを含めて複数の補助金を得て実行された。
屋上の緑地化には、1平方メートルにつき40-250ユーロの費用がかかる。基層となる土壌には、10cm未満、12-15cm、30cmまでと複数のカテゴリーがあり、厚くすればするほど、根が深く張り、気温を引き下げる効果が大きい植物を育てることができる。いずれにしても、屋根の防水性を強化する必要があり、また、水を含んだ重い土を支えることができる強い構造が必要になる。屋上緑地化に先立っては、建物の構造に関する調査が必要であり、それだけプロジェクトには時間が必要になる。傾斜が20度以上の建物や旧建築には適さないが、新建築では緑地化の余地は大きい。