仏バイオテクMedinCellの皮下注射型統合失調症治療薬、FDAの認証を獲得

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イスラエルの製薬大手テバファーマスーティカルと仏バイオテク企業MedinCell(本社はモンペリエ所在)が共同開発した統合失調症治療薬「UZEDY」が米食品医薬品局(FDA)の認証を獲得し、米国での販売が可能になった。同薬は、皮下注射型の統合失調症治療薬で、「BEPO」と呼ばれるMedinCellの技術を用いて、コーポリマーを組み合わせることで、皮下組織にデポーを形成し、持続放出を行うことで、薬効が数週間から数ヵ月にわたり長期的に持続するのが特徴。従来型の統合失調症治療薬は経口薬が普通で、患者が服用を怠るリスクなどの欠点があり、「UZEDY」はこうした難点を解決する利点がある。
なお、効果が持続する注射型の抗精神病薬もすでに存在し、米国では年商40億ドルの市場を形成しており、毎年2桁の成長を記録している。米国で統合失調症の治療を受けている患者は160万人に上り、その13%程度が注射型の治療薬を使用していて、この分野ではヤンセン(ジョンソン・エンド・ジョンソングループ傘下)がリーダー格。
ただし、MedinCellのドゥアCEOによると、既存技術は筋肉内注射であるため痛みを伴う上に、効果発現までに数週間を要するのに対して、同社の技術は皮下注射で痛みが軽く、効果が即座に発現し、また、薬液充填済み注射器を使用できるので、取り扱いも簡単だという長所があるという。
MedinCellの技術が商業化されるのはこれが初めてで、同社の株価はパリ市場で12%以上急騰した。「UZEDY」の販売はテバが担当するが、ブロックバスターになる可能性があり、米国で10億ドルの売上が見込まれるという。MedinCellは1億500万ドルの商業マイルストーン支払いと販売ロイヤリティを受け取る。ドゥアCEO は、潜在的なブロックバスターに関するFDAの認証をフランスのバイオテク企業が確保したのは過去20年間で初めてだと強調している。