サンタボルド石炭火力発電所、運転を再開

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

サンタボルド石炭火力発電所(モゼル県)が11月28日に運転を再開した。発電所側が公表した。
フランス政府は、気候変動対策で国内の石炭発電所を全廃する方針を決めており、サンタボルド発電所の石炭稼働ユニットも3月末時点で一旦、閉鎖されていた。ただ、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー調達の混乱を受けて、政府は6月の時点で、石炭発電所を予備力として温存することを決定していた。気温が平年並みに下がり、電力の相応の確保が必要になったことから、政府はサンタボルド発電所に対して運転再開を指示し、28日の朝9時より運転が再開された。
サンタボルド発電所を運営するガゼル・エネルジーには、去る8月に成立の法律に則り、今冬の運転に必要な人材確保のための採用を行うことが認められていた。採用された人員の半数余りは、運転終了後に定年退職する見通しで、残りは、社内のプロジェクト(バイオマス焚き発電所への転換等)に配転となる。
同発電所で3月末まで運転が継続されると、石炭50万トン余りが消費されることになる。容量は600MWで、これは地元のグランテスト地域圏の家庭の電力消費の3分の1を賄える量に相当する。