男性客室乗務員のシニオン姿禁止は違法=仏最高裁判決

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エールフランスと元男性客室乗務員の間の係争の上告審で、最高裁はこのほど、男性客室乗務員のシニオン姿を禁止する規定は違法とする判決を下した。下級審の判決を破棄し、不当解雇があったと認定した。
事件は2005年に遡る。アフリカ風ドレッドヘアの男性客室乗務員が、髪を後ろに束ねてシニオンのようにして勤務しようとしたところ、会社側は内規違反としてこれを拒否。男性はその後、ウィッグを着用するなどして勤務した。2012年になり男性は労働裁判所に差別待遇があったとして提訴、会社側は勤務不適格と配置転換不能を理由に男性を解雇した。その後、訴訟は最高裁まで争われ、このほど男性側の勝訴に終わった。
労働裁判所と控訴審の高等裁判所はいずれも、会社のブランドイメージに関わる問題だとするエールフランス側の主張を認めて、男性側敗訴の判決を下していた。会社側はまた、男性のシニオン姿は社会的な規範に適合していないとも主張していた。最高裁は逆に、女性には許可される姿が男性には許可されないのは、性別以外の根拠を持たない決定であると指摘。男女の区別をつける手段として、制服を男女で違える規則を設けることは認められるが、髪型でそれを行うのは差別に当たるとした。また、社会的規範は、男女で扱いを異にする客観的理由足りえないとの判断も示した。