独Volocopterの空飛ぶタクシー、パリ五輪時の営業運転開始に向けて実証飛行

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

独Volocopterの空飛ぶタクシー「Volocity」が10日、営業運転を念頭に置いた公開の実証飛行を行った。2024年パリ五輪の際に営業運転を行う計画。世界でも初の商用化となる。
Volocityは18基の電動ローターを搭載しており、操縦士と乗客の合計2人を乗せて飛行する。最高時速は110km。航続距離は35km。垂直離着陸が可能で、場所を選ばずに市街地内で2点間の輸送を行うことができる。パリ近郊のポントワーズ空港で試験飛行を重ねてきたが、今回、記者団などを招いて、営業運転を念頭に置いた実証飛行を行った。パリ五輪の際に営業を開始する予定で、10機を配備し、シャルルドゴール空港とルブルジェ空港、ルブルジェ空港とパリのオーステルリッツ橋、イシーレムリノー市とサンシールレコール市(乗馬会場が設置される予定)の間を結ぶ3路線を運行する。当初は200ユーロ近くと高めの料金設定になるが、普及に伴い将来的には配車サービス程度の料金の実現を目指す。大会期間中に数千人を輸送して実績を作り、普及に弾みをつける計画。
計画にはADP(パリ空港会社)も協力。同社はSkyports社に出資し、離発着用の施設の整備に乗り出す計画で、施設のプロトタイプが同日に公表された。RATP(パリ交通公団)も協力しており、オーステルリッツ橋近くの河岸に離発着施設を誘致する。パリ五輪における空飛ぶタクシーの運行はVolocopter社が担当する予定だが、RATPは将来的に運行業務に参入することを目指している。