オルセー美術館、環境活動家による器物損壊が未遂に

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仏オルセー美術館で10月27日、ゴッホとゴーギャンの絵画への器物損壊未遂が起きた。犯人の若い女性は、絵画に接近する前に警備員により排除された。
この女性は、ゴッホの自画像に顔を接着剤で貼り付けようとし、警備員に制止されると、隣にあるゴーギャンの絵画にスープを投げつけようとしたが、いずれも未遂に終わった。女性は撮影者を同行して来場し、「Just stop oil」のスローガンをつけた白いTシャツを見せるために上着を脱ぎ始めたところを、警戒態勢を敷いていた警備員に制止された。女性はそのまま逃走した。オルセー美術館は損壊未遂で提訴した。
「Just stop oil」は、炭化水素の新しい開発計画の停止を要求する「ハプニング」を展開する運動で、欧州各地で美術作品をターゲットとする事件が起きている。英ナショナルギャラリーのゴッホ「ひまわり」(防御ガラス付き)にトマトスープが投げつけられ、ドイツのバルベリーニ美術館ではモネの「積みわら」(防御ガラス付き)にマッシュポテトが投げつけられる事件が発生した。オルセー美術館の事案があった27日には、オランダ「マウリッツハイス美術館」のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」(防御ガラス付き)にトマトスープが投げつけられる事件があった。