政府は25日、都市圏に車両乗り入れ制限地区「ZFE」の設定を義務化する件で、当該自治体の代表らを招いた会合を開いた。導入を支援する措置を説明した。
ZFEは、人口15万人以上の都市圏(全国に43)において、2025年までに導入が義務付けられる。車両を汚染度に応じて分類するラベル制度「Crit’Air」に依拠して、車両乗り入れを制限する地区を設けるというもので、政府は大気汚染対策の柱として導入を進めている。しかし、EVなどの乗り入れ許可対象の車両を購入する資金力のない勤労世帯を中心として、特に郊外等に住む人々がZFEの導入に伴い不利益を被る可能性があり、先行導入された都市の一部では反対運動なども生じている。自治体側は、反対運動が高まって社会の安定性が損なわれることを懸念し、政府に対して対応を求めていた。
ベシュ国土整備相はこの会合の機会に、ZFEの内容(乗り入れ禁止対象の車両と時間帯の設定、特例措置の導入など)を決める権限は自治体側にあると確認。その上で、どのような設定となっても対応可能なレーダー式の自動取締システム(プレートナンバーに基づいた取り締まり)を2024年下半期中に稼働させると約束した。さらに、全国のZFE間の規則の調和化を進めるための作業部会の設置も予告。また、ZFEの導入のせいで社会からの疎外が起きることがないようにするための対応を検討する作業部会の設置も約束した。EV購入への支援については、国民の半数が利用可能な奨励金制度(7000ユーロ)や買い替え補助金制度など、既存の制度を挙げた上で、ZFE内の居住者とZFEに通勤する人を対象とする1000ユーロの追加奨励金の導入を予告した。3万ユーロを上限とする無利子融資(新車購入か長期リースに適用)も予告した。このほか、気候変動対策への自治体向け支援基金「グリーン基金」について、20億ユーロの総資金のうち1億5000万ユーロをZFEに振り向けると説明した。
ouest-france.fr