仏CNIL、顔データ違法収集の米クリアビューAIに2000万ユーロの罰金処分

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仏CNIL(個人情報保護機関)はこのほど、米クリアビューAI(Clearview AI)に対して、2000万ユーロの罰金処分を言い渡した。顔の画像データを違法に収集・利用していると認定し、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)が定める最高額の罰金処分を言い渡した。CNILはまた、保有しているフランス居住者の顔のデータを2ヵ月以内に全消去するよう命令。命令が履行されるまで、1日当たり10万ユーロの罰金を科す旨も定めた。
CNILによると、クリアビューAIは、SNSなどインターネット上にある人の顔の動画を収集し、200億点に上る画像のデータベースを構築している。その中にはフランス居住者数千万人のデータが含まれる。クリアビューAIはこのデータを用いて、主に各国の警察組織等に、人物同定の顔検索ソリューションを提供している。CNILは、画像収集に当たりクリアビューAIは本人の承諾を一切得ていないと指摘。GDPRに全面的に違反していると認定した。クリアビューAIはこの決定について、画像から人物の国籍を決定する手段はないとして、データ消去の命令に従うことは技術的に不可能だと主張している。
クリアビューAIは、去る3月にイタリアで、また5月には英国で同様の罰金処分を受けている。罰金額はイタリアで2000万ユーロ、英国で885万ユーロだった。