仏サフラン(航空機エンジンなど製造)は7日、ボルドー市郊外のルアイヤン市内に積層造形法(3Dプリント)の専門拠点「サフラン・アディティブマニュファクチャリング・キャンパス(SAMC)」を開所した。同社のアンドリエスCEO、地元ヌーベルアキテーヌ地域圏議会のルーセ議長、レスキュール産業担当相らが開所式に列席した。
同拠点は、積層造形法の技術開発力から製造上のリソースまでを一つの場所に集めたもので、面積は1万2000平方メートル。サフランは同拠点に8000万ユーロを投資し、産業的なスケールで部品を製造できる体制を整えた。
サフランは積層造形法により、ゼロエミッション航空機の開発に弾みがつくと期待している。積層造形法による金属部品の製作は、鋳造に比べて原材料を大幅に削減することが可能で、機体の軽量化による省エネの達成に貢献する。将来的な展望とは別に、中期的には、米GEとの折半出資合弁CFMインターナショナルが開発する次世代エンジンLeap向けの部品を同拠点で製造。金属部品でも鋳造品と比べて開発や製造の期間が大幅に短縮可能で、開所前に夏季を通じて行った試験生産では1000体を納入。今年通年では4000体の生産を予定している。2016年には数万体まで生産ペースを引き上げる予定。
同じルアイヤンには、セラミックス部品を扱うサフラン・セラミックス社もある。耐熱部品はセラミックスで、金属部品は積層造形でカバーする計画。