品質に問題のある水道水、本土国民の2割程度に供給

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

ルモンド紙は22日付で、2021年には本土の国民の2割程度に、一時的な場合も含めて、品質に問題がある水道水が供給されたと報じた。この割合は前年の2020年には5.9%であり、大幅に上昇した。ルモンド紙はその理由として、それまでは調査の対象となっていなかった農薬の代謝物等が対象に加えられたことが原因だと説明している。
ルモンド紙は、保健当局等が発表している地域別のデータを統合することで、20%程度という数字を割り出した。地域別では、北仏のオードフランス地域圏が65%と特に高く、ブルターニュ(43%)、グランテスト(25.5%、ペイドラロワール(25%)、ブルゴーニュ・フランシュコンテ(17%)、パリ首都圏(16.3%)、ノルマンディ(16%)がそれに続く。農薬の代謝物等は、動物や植物に取り込まれたり、環境中で分解されるなどして発生した生成物で、その毒性についてはあまりよく知られていない。代謝物等の中には毒性があるものも含まれるため、その監視が動き出したが、規制の基準などがまだ固まっていない。このため、暫定的な基準に基づいた場合に、上記のように品質に問題がある飲料水供給に分類されることになる。ルモンド紙は、当局も手探りの状態であるとし、予見可能な問題を放置していた行政側の責任は大きいと追及している。