宇宙国際会議:ボルヌ仏首相、向こう3年間で90億ユーロの宇宙予算を予告

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

宇宙国際会議(IAC)が18日、パリで開幕した。22日まで開催される。
宇宙国際会議は今回で第73回を迎えた。開催国となったフランスのボルヌ首相は18日、開幕に当たり挨拶し、フランスの宇宙関連予算を、向こう3年間で90億ユーロ超にすると予告した。この規模は、直近3年と比べて25%の投資増に相当するという。首相は、マクロン大統領が去る2月に発表した宇宙戦略に沿って、欧州と共に宇宙へのアクセスの自立性を確保することを目標に設定し、そのために予算増額を図る意欲を示した。90億ユーロの予算は、「フランス2030」投資プランの枠内での既定の宇宙向け予算(15億ユーロ)、2030年までの期間の研究大綱法に盛り込む予算、CNES(国立宇宙研究センター)向け予算の大幅増、2019-25年の多年次軍事計画法の予算(50億ユーロ)などからなる。また、欧州宇宙機関(ESA)向けの仏拠出金も含まれる。ESAは向こう3年間で180億ユーロの予算確保を目指している。
これとは別に、宇宙国際会議の機会に、アリアンスペースは、有人モジュールとしても使える新型モジュールSUSIE(Smart Upper Stage for Innovative Exploration)の開発プロジェクトを公表した。2025年にも実証機の打ち上げを行い、2030年の商用化を目指す。モジュールは次世代アリアン6ロケットへの搭載が可能だが、発展性のある設計を採用し、その後に開発予定の再利用可能ロケットにも搭載が可能になる。高さ12メートル、幅5メートル、重量25トンで、43平方メートルの容量を持ち、自動操縦の補給モジュールとしても、有人モジュールとしても使える。再利用型モジュールとして、地球への帰還時には制御機能を用いて着陸する。アリアンスペースは、タレス・アレニア・スペースやエアバス等とコンソーシアムを組んで開発を進める。