アルストム、仏国鉄SNCF向けの次世代高速鉄道車両「TGV M」をロールアウト

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

仏国鉄SNCFの発注によりアルストムが開発した次世代高速鉄道車両「TGV M」のロールアウト式典が9日、アルストムのラロシェル工場で行われた。完成した車両は認証を得るための試験に用いられる。試験はチェコ国内で10月に開始される。初号列車の営業運転開始は、当初予定の2024年中頃(パリ五輪開催時期)には間に合わず、2024年末にずれ込むことになった。
高速鉄道(TGV)はこれが5世代目を迎える。次世代バージョンは9両編成が基本形だが、柔軟に車両数を増減できる。輸送力は基本編成で最大740座席に強化されるが、インテリアと座席数も柔軟に変更できる。動力機関の小型化と配置の工夫により、客室スペースを20%増やすことが可能になった。さらに、空気抵抗の改善と回生ブレーキの活用等を通じて、エネルギー消費も20%削減した。高速鉄道の他の車両との部品共通化で費用節減も達成した。SNCFは2018年8月に次世代バージョン100本を発注、後に欧州向けとして15本を追加発注した。契約規模は35億ユーロに上る。2025年より年間12本のペースで引き渡しがなされる予定で、SNCFはこれを、鉄道輸送のシェア倍増の切り札とする考え。