外国人参政権の議員立法法案を与党議員が提出、物議に

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下院法務委員会のウリエ委員長(マクロン大統領のルネサンス党所属)が8月2日、外国人参政権に関する議員立法法案を提出した。この法案は与党連合内でも議論を招いている。
法案は、市町村選挙における投票権と被選挙権を、すべての外国人居住者に付与するとの内容。欧州連合(EU)の国籍を持つ居住者については、1992年よりこれらの権利が付与されているが、EU以外の出身の外国人居住者には参政権が認められていない。市町村選挙における外国人参政権の付与は、ミッテラン政権時代から提案されている措置ではあるが、与党連合内部を含めて一部に根強い反発がある。特に、ダルマナン内相は全面的に反対する意向を示しているという。野党勢力内では、極右RNのバルデラ臨時党首と、保守野党「共和党」内の右派勢力を代表するシオティ下院議員がそれぞれ反対する姿勢を表明した。
法案を提出したウリエ委員長は、EU加盟国出身の居住者の参政権を疑問視する声は既になく、EUを離脱した英国の出身者が参政権を奪われることには遺憾の声が上がっているとし、総選挙における自らの選挙公約に沿って、党としてではなく個人として提案したと説明した。突出した議論を招く案件とは考えていなかったとも言明している。与党連合は、議員団内でタブーなき議論を尽くした上で対応を決めると説明している。