金利上昇でも住宅ローン与信はまだ活発

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

金利が上昇局面に入る中で、住宅ローンの与信はかなり高めの水準を保っている。先高を見越して、今のうちに融資を得ようとする家計の行動が反映された形になった。
フランス中銀の統計によると、住宅ローン残高はこの数ヵ月間で6.5%を超える増加率を続けている。新型コロナウイルス危機直前の2019年秋頃の記録的なペースに復帰した。すべての銀行で住宅ローンの与信増加が記録されている。クレディミュチュエル(CMAF)の場合は、1-6月期に住宅ローン残高が9.5%増の2480億ユーロを記録。ラバンクポスタル(郵便ラポストの銀行子会社)の場合は、住宅ローン残高は5.5%増の657億ユーロと、小幅な伸びにとどまっているが、新規与信は実に21%の大幅増を記録した。ラバンクポスタルでは、金利上昇を見越して今のうちに融資を得ようとする顧客が多いことを指摘、その上で、今年後半には需要は減速するとの見方を示している。フランス全体では、新規与信は7月に216億ユーロとなり、高めの水準を維持しているものの、5月の268億ユーロに比べると低下している。住宅ローン金利は、1月の1.1%に対して、6月末には1.34%まで上昇(中銀集計)。7月には1.68%まで上昇している(クレディロージュマン調べ)。