アタル予算担当相は8日付のレゼコー紙とのインタビューの中で、準備中の2023年予算法案について説明した。教育、労働、連帯の各省の予算をあわせて125億ユーロ増額する方針を示した。11.4%と過去最大の増額になるとした。
うち、労働省の予算は67億ユーロの増額となる。見習い研修制度の利用拡大が主な目的となり、現政権の任期満了を迎える2027年時点で見習い研修者を100万人とするとの目標が設定された。見習い研修制度は、働きながら資格を取得する機会を与えるという、いわゆるデュアルシステムの一種で、政府は、完全雇用の実現という政策課題の達成に向けた主要な手段としてこの制度に期待している。教育省でも36億ユーロの増額が実現する。教員の初任給を最低限で2000ユーロ(手取り)にするという公約の実現に向けた予算が計上される。
このほか、国家主権にかかわる各省(軍隊、内務、法務、外務)にも、全体で61億ユーロの予算増が認められる。軍隊省では30億ユーロの増額が実現する。法務省の予算は8%の増額となる。それ以外では、環境、国土整備、農業の各省で33億ユーロの増額が認められる。
予算担当相は、広義の公共部門支出は2023年に実質ベースで0.3%減少し、国の予算総額は金額ベースで前年並み(補正予算後)の3390億ユーロにとどまると説明した。財政赤字の対GDP比は目標の5%に収まるとしたが、その実現のための節減措置については明らかにしなかった。