仏通信事業者、2023年にスタンドアローン5Gを実現へ

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仏通信事業者(オレンジ、SFR、ブイグ・テレコム、フリー)は、スタンドアローン方式による5G(5G SA)の展開を開始する。5G SAの実現は2023年の予定。
仏通信事業者は、現在は、従来の4Gコア設備と5G基地局を組み合わせたノンスタンドアローン方式による5G(5G NSA)を提供しているが、5G NSAでは、5G SAのようなパフォーマンスは提供できず、改良された4Gに近いパフォーマンスに留まっている。
5G SAは、規格が定まってからまだ日が浅く、世界でも、商用サービスが開始されたネットワークは12ヶ所に留まっている。5G SAでは、中国事業者が先行しているが、欧州でも、英ボーダフォンの独子会社が既に5G SAへの移行を完了している。
仏では、ブイグ・テレコムが6月17日にスウェーデン通信機器エリクソンとの提携による5G SAを発表した。オレンジも、既にラニオン市で5G SAのテストを実施済みであり、2023年には100%移行を予定している。SFRは、米通信機器シスコと提携して、仏ベリジの研究所でテストしており、同じく2023年に移行を目指している。
5G SAでは、レイテンシーが10ミリ秒以下に抑えられることから、リアルタイムでの遠隔操作が可能となる。また、ネットワークスライシング(同一の物理ネットワーク上での仮想ネットワークの多重展開)も可能となる。加えて、同時にネットワークに接続できるIoT機器数も大幅に引き上げられる。
仏通信事業者は、5G SAのこれらの特長を活かして、特に産業界での5G利用の促進を目指している。一般向けでは、5G SAは、ビデオゲームや仮想/拡張現実などの用途の普及につながると見られるが、現在販売されている5G対応端末は、5G SAには対応しておらず、新たに端末を買い換える必要がある。