ラクタリス、栄養スコア「ニュートリスコア」反対運動を展開

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

仏乳業大手ラクタリスは、栄養スコア「ニュートリスコア」に反対する運動を展開している。11日には、傘下のロックフォール・チーズの生産者による記者会見を開き、制度を批判する姿勢を明確にした。
ニュートリスコアは、栄養面から食品を5段階に分類し、色分けのスケールの形で包装上に表示する制度で、フランスが先行導入した。現在では欧州数ヵ国で採用が広がっている。任意制度としての導入ではあるが、欧州連合(EU)のレベルで導入議論があり、ここで義務的制度に鞍替えされることを食品業界の一部は強く警戒しており、ラクタリスはその急先鋒となっている。ロックフォール・チーズの生産量の7割はラクタリスの手中にあり、その発言力は大きい。ロックフォールの生産者団体CGPLBIRのモードル会長も、ラクタリス子会社のラクタリスAOP&テロワールの社長を務めている。生産者団体の側では、地理的名称保護制度の対象であるロックフォール・チーズに栄養スコアは不適当であり、栄養スコアは食に対する懲罰的なアプローチにほかならないと批判。ロックフォールのようなチーズの場合、脂肪分と塩分の多さから、栄養スコアで評価するとしたら最低のE分類となるのは確実で、表示が義務化されることを強く警戒している。現状では、表示がなされるのは包装済みの製品に限られ、ロックフォールの場合は全体の10%に過ぎないが、ラクタリスは、自社のその他の製品に表示が広がるのを恐れて、ロックフォールを橋頭保として反対運動を展開する構え。