仏政府、エネルギー小売価格の抑制策を発表

カステックス首相は9月30日夜、民放大手TF1のニュース番組に出演した機会に、エネルギー小売価格の抑制策を発表した。ガスと電力の料金を当面の間凍結し、これ以上上昇しないようにすると説明した。
2022年4月に大統領選挙を控えて、政府としては、国民の不満を招きかねないエネルギー価格の上昇への対策を講じることを迫られていた。
ガス規制料金は10月1日付で12.6%引き上げられ、年頭からの上昇率は60%近くに上った。ガス規制料金は毎月、卸売価格などに連動する形で改定されることになっているが、足元の卸売価格の上昇を受けてこの数ヵ月で大幅上昇が続いていた。首相は、10月1日付の改定を最後に、4月まで規制料金を据え置くと予告。需要期が過ぎると卸売価格は低下に向かうと予想されるが、この低下分を規制料金に反映させるのを小幅にとどめる形で徐々に調整し、12-18ヵ月間程度をかけて、凍結による減収分をカバーすると説明した。ガス規制料金は大手エンジーが適用しているが、同料金に連動する形で料金を設定している競合事業者の契約を含めて500万世帯が直接・間接に規制料金の適用下にある。
電力規制料金は年に2回、2月と8月に改定される規定となっているが、このままだと2月の次回改定時には12%の引き上げが決まるものとみられていた。カステックス首相は、この引き上げ幅を4%に抑制すると約束。その実現の方法として、小売料金に上乗せ徴収される公租公課の一つであるTIFCEの課税水準を調整すると説明した。TIFCEは、再生可能エネルギーの振興のための財源となるが、首相は、料金が上がれば再生可能エネルギー電力の競争力も高まり、助成金の必要も薄れることを挙げて、その一時的な減税を正当化した。
首相は、3月から4月にかけて状況を再検討した上で、必要があれば追加の調整措置を講じるとも約束。「エネルギー小切手」(低所得の580万世帯に支給されるバウチャーで、エネルギー代金の支払いに充当できる)の支給増額や、ガス料金に係る付加価値税(VAT)の引き下げなどの可能性を示唆した。