政府、燃料価格高騰に伴う家計支援措置を検討

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

燃料価格の高騰に伴い、政府は臨時の援助措置の検討に着手した。アタル政府報道官が13日に、テレビインタビューの機会に明らかにした。
報道官は、まだ決定は下っていないが、いくつかの方法が考えられるとした。そのうち、減税による小売価格の引き下げについては、今のところ検討されていないと説明。個別の援助措置とすることが考えられるとも述べた。本当に援助が必要な国民に効果的に援助が届くようにする必要があるとも述べた。報道官は、燃料価格は来春には低下に向かうことが予想されるとし、それまでの間、国民が困難を乗り越えられるようにするのが目的になるとして、数日中に決定が下ると予告した。
報道によれば、経済省は減税には反対している。例えば、エネルギー製品内国消費税TICPEを1リットル当たり5ユーロセント引き下げるとすると、国の負担は25億ユーロに上る。5セント程度の引き下げでは消費者が値下がりを実感するには不十分だが、それに比べて国の負担の額は大きい。また、一律減税だと、富裕層にも減税の恩恵が行き渡ることになり、その点でも費用高の割に政策効果が薄いという結果を招く。直接補助の方が効果的だが、「低所得のドライバー」を対象にした既存の支援措置がないことから、導入に当たっては技術的な困難が大きい。ちなみに、前回の燃料高騰時に発生した「黄色蛍光ベスト」の抗議行動の際には、政府は、マイカー通勤手当の増額への支援と、EV購入支援を導入したという前例がある。
いずれにしても、2022年4月に大統領選挙を控えて、再選を狙うマクロン大統領としては、国民の不満の増大を抑え込まなければならないという事情がある。大統領選への出馬を予定するライバルらは、エネルギー価格の高騰に伴い国には潤沢な付加価値税(VAT)税収が流れ込むと主張し、政府を攻撃する材料としている。