今年のワイン生産、前年比で30%減へ

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農業省がまとめた速報によると、今年のワイン生産は前年比で24-30%減となる見込み。霜害とこの夏の多雨によりブドウの収穫量が激減する。45年来で最低の生産量になる見通し。
これによると、ワイン生産量は2021年に3260万-3560万ヘクトリットルに留まる。これは、霜害の被害により生産減が目立った1991年と2017年の水準をさらに下回る。霜害被害に夏季の多雨が重なった1977年に匹敵する45年来の低水準になるという。
今年は4月初旬に例外的に気温が低い日が続き、それより前のやはり例外的な高温により発芽していたブドウが霜害の被害を受けた。被害はフランスの全域に及び、政府は10億ユーロの特別支援基金を設立していた。これに加えて、この夏は記録的な低温で、降水量も極めて多かったことから、べと病などの被害も広がった。
国内のワイン業界は、2020年にはトランプ米前政権が試行していた追加関税などの逆風に苦しんだ。追加関税はバイデン現政権により撤廃されたものの、今年も生産減の追い打ちが続くことになる。
収穫の不振はブドウに留まらない。同様の理由から、アプリコットの生産量も5万6000トンと、前年比で35%減、平年比で54%減を記録する見込み。