OSS 117シリーズの新作映画、劇場公開始まる

ジャン・デュジャルダン主演のコメディ映画「OSS 117 Alerte rouge en Afrique noire(OSS 117 ブラックアフリカに警報)」の劇場公開が3日に始まった。映画館入場に「衛生パス」提示が義務付けられるという逆風の中での話題作の公開となった。
「OSS 117」は、ジャン・ブリュースが1949年に創設したスパイ物シリーズで、着想はフレミングの「ジェームズ・ボンド」シリーズ(1953年開始)よりも早い。当初はシリアス物として受け取られていたが、2006年にザナビシウス監督とデュジャルダン主演のコメディ映画「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」(邦題)でギャグ物として生まれ変わった。「オースティン・パワーズ」を経た時代の流れからいってさしたる新味もなかったが、フランスではヒットした。2009年公開の続編「フレンチ大作戦 灼熱リオ、応答せよ」(邦題)からでは10年余りを経過して新作の公開となった。本作は、ザナビシウス監督は参加せず、ニコラ・ブドス氏が代わって監督を務めた。
舞台は1970年代末、ミッテラン左派政権発足直前のジスカールデスタン政権下で、デュジャルダンが演じる諜報部員ユベール・ボニスールドラバートがアフリカの某国に任務を帯びて派遣される。前時代的なセクハラと差別・偏見全開のスパイの滑稽な姿を笑いつつ、現今の不寛容な各種の社会運動の行き過ぎにも思いを致そうという趣旨なのだが、その点に賛同できるかどうかで映画の評価は変わるらしく、保守系の日刊紙ルフィガロは一面に社説まで載せて大絶賛、左派系のリベラシオンは「華々しい失敗」だとけなしている。